22.3.28「第4回移植者と透析患者の交流会」


「第4回移植者と透析患者の交流会」

平成22年3月28日(日)

e0163726_14163572.jpg
体験発表をする、えひめ移植者の会会長・野村 正良氏

e0163726_1417546.jpg
愛媛県腎臓病患者連絡協議会・戸田淳司会長

e0163726_1419760.jpg
フラダンス



平成22年3月28日(日)午後1時から、松山市道後町の愛媛県身体障害者福祉センターで、第4回移植者と透析患者の交流会が開催されました。

今回の交流会には、腎移植者や透析患者さん約50人が参加し、呉共済病院泌尿器科部長 光畑 直喜先生の「修復腎移植の可能性」と題した講演、えひめ移植者の会会長野村 正良氏の、9年前に自ら修復腎移植を受けた体験発表を熱心に聞きました。

講演の中で光畑医師は、日本での腎移植の現状、修復腎移植が行われた背景、学会の見解に対する意見や修復腎移植の有用性について、スライドを用いて検証し、また、医療とは本来、患者さんに対するリスクとベネフィットを比較し、多少のリスクがあっても有効性の方が勝る場合は、命を助けるために行うべきであるが、(修復腎移植を含めて)日本では、ことさらにリスクを取り上げて批判する国民性があり、世界でも稀である。
これでは医師も委縮し、医療が非常にやりにくくなってしまっている等の環境も指摘しました。


その後、癒しのコンサートが催され、早春賦等の春の曲のコーラス、アベェ・マリアのフルートとハーブの演奏、フラダンスや子供たちの合唱等があり、美しい音色・歌声に聴き惚れました。





「修復腎移植の可能性」

呉共済病院 光畑 直喜 泌尿器科部長

e0163726_14225391.jpg
呉共済病院 光畑 直喜 泌尿器科部長

「第4回移植者と透析患者の交流会」
平成22年3月28日(日)

3月28日(日)午後1時から、松山市道後町の愛媛県身体障害者福祉センターで、第4回移植者と透析患者の交流会が開催され、呉共済病院泌尿器科部長 光畑 直喜先生が「修復腎移植の可能性」と題した講演をされました。

以下、講演概要です。





e0163726_14441352.jpg

・今年現在、これまで世界で一番だったアメリカを抜き、日本の透析患者数が30万人を超えた。
・透析にかかる治療費は、1年間に1人あたり約500万円から600万円必要である。
・全国では、年間約1兆5千億円もの医療費がかかる計算になる。私はがんが専門であるが、すべてのがん患者の年間総費用が約3兆円といわれているが、透析にかかる治療費は実にこの2分1に当たるのである。

e0163726_14383958.jpg

・移植のメリットは、患者さんが透析を離脱して元気になることであるが、それだけでなく、普通に働くこともでき、そして税を納めて国家に奉仕することもできるということだ。若者でも職になかなかつけない時代であるが、透析患者さんが職に就くのはなおのこと難しい現実がある。
・しかし人口比あたりの移植者数は、北朝鮮を除き、世界で一番低い国は日本である。
・日本での死体腎移植の平均待ち時間は16年7ヶ月、実際は約17年であり、日本の移植がいかに遅れているか・・・である。

e0163726_1425433.jpg

・日本での透析患者さんの生存率は、5年で61%、約4割の方が亡くなっている。10年では39%であり、約6割の方が死亡している。
・移植の待機年数の16~17年後に生きている人は、10~20%あるかないかであろうと推測される。
・ただし日本での透析技術は非常に発達している。アメリカは日本より厳しく、5年生存率は約4割となっている。

e0163726_1430088.jpg

・日本の2001年までの移植者数は、約 12,700人であるが、1回きりの移植者は約96%である。2回以上の移植ができた人は、4%に満たない。
・要するに2回目以降のドナーは出てこないということである。
・ここをどう埋めるか・・・・を考えなければならない。
・生体腎移植では、夫婦間が36%を占めており増えている。兄弟間ではきれい事ではすまず、非常にむずかしい問題があるため減少しており、あまり望めないのが現実である。

・臓器不足の中で、どうやって移植を増やしていくか・・・。
・日本での、血液型不適合やクロスマッチ陽性(抗体不適合)でも移植を行う取り組みがそれである。

・血液型不適合、クロスマッチ陽性(抗体不適合)の移植は、アメリカでもヨーロッパでも、お隣の韓国でもほとんど実施していない。
・それは、欧米、東南アジア等では、脳死移植や献賢移植がさかんに行われている。また韓国等ではドナー交換腎移植も十数年前から国を挙げて取り組んでいることもあり、血液型不適合等の移植を日本のように無理をしてやる必要がないからである。、
・ドナー交換腎移植とは、スワッピングをすることである。不適合で移植が出来ない5~6組の家族同士を組み合わせて、適合者どうしでの移植を行う。
・日本でドナー交換腎移植をすればどうなるか・・・。また大騒ぎをするであろう。国民の移植に対する理解・意識は諸外国に比べて低い。
・ドナー不足の日本では、血液型不適合やクロスマッチ陽性(抗体不適合)の移植を、強行突破で無理してやらざる得ないのである。

e0163726_14253796.jpg

・42例の修復腎移植の内訳である。
・2回目以降の移植者が約7割弱を占めている。
・ドナーとなった方の年齢構成は、27人が60歳以上であり、全体の71%を占めている。
・修復腎移植は(成績が悪いと)批判されたが、修復腎移植の成績が悪いのではなく、ドナーが高齢のため、若い方が多い生体間移植に比べてどうしても成績が劣るのであり、同様、死体腎移植も高齢者からの移植は成績が劣るのである。
・ドナーの年齢を考慮すれば、修復腎移植の成績は決して悪いものではない。

・呉共済病院での1991年からの修復腎移植の実績
・修復腎移植を受けたドナーの方は、現在最長で約19年、7年以上が3名、元気に生存している。

・日本での4センチ以下の小径腎がんの部分切除率 。
・平均で8割以上は全摘出されている実態である 。
・最近は部分切除が増えてきてはいるが、腎がんの場合の全摘出は世界的にも標準的な医療である。
・広島県での腎がんの治療を基に推計した場合、日本全体では、年間約2,000件の修復腎移植を実施できる可能性がある。

e0163726_14263187.jpg

・早期腎がんの部分切除後のがんの再発率は約2~4%である。
・しかし過去の修復腎移植では、がんの再発はない。
・透析患者さんに修復腎移植を実施し癌が再発するリスクと、修復腎移植を実施して命が助かるベネフィットを比較した場合、修復腎移植はとても有効である。
・ 医療とは本来、患者さんに対するリスクとベネフィットを比較し、多少のリスクがあっても有効性の方が勝る場合は、命を助けるために行うべきであるが、(修復腎移植を含めて)日本では、ことさらにリスクを取り上げて批判する国民性があり、世界でも稀である。
・要は患者にとって、今何が大切か、リスクとベネフィットを考えることが必要である。
[PR]
by shufukujin-katudo | 2010-03-30 14:39 | 22.3.28移植者と透析患者交流会
<< 22.5.30NPO法人・第2... 22.3.17宮城県議会修復腎... >>