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「まつやまを考える会」にて講演 野村正良幹事

「患者からみた修復腎移植」

「移植への理解を求める会」野村幹事

「まつやまを考える会」にて講演



平成21年2月7日(土)、愛媛県松山市の松山ワシントンホテルで、「まつやまを考える会」(代表渡部浩三氏)第3回の会合が開催され、その中で「移植への理解を求める会」野村正良代表幹事が、『患者からみた修復腎移植』と題して講演し、修復腎移植への理解を求めました。

今回、修復腎移植についての講演会を企画した「まつやまを考える会」は、松山の歴史、文化、伝統、教育、政治、経済、医療、福祉などについて考察し、こころ豊かに暮らせる質の高い市民社会の形成と発展に期することを目的として、2ヶ月に1回の定例会や特別例会等を開催している各界著名人や有識者の集まりです。

会は、財団法人重要文化財渡部家住宅保護財団・理事長の渡部浩三さんや作家の青山淳平さんなどが運営、会のメンバーには大学教授、企業経営者、報道関係者、医師など約30名が現在会員となり活動されており、今後も幅広くいろいろな話題で定例会等を予定しているということです。

今回修復腎移植についての講演を聴いたメンバーのお一人は、「新聞報道等で騒がれていましたが詳しい中身は正直あまり知りませんでした。今回の講演で経緯がよく分かり、何より慢性腎不全患者さんの移植への思いや、万波先生の功績がよく理解でき大変ためになりました」と話していました。

修復腎移植についての理解が各方面で着実に広がっています。

「まつやまを考える会」様、講演開催大変ありがとうございました。

なお講演要旨は次のとおりです。






まつやまを考える会(第3回)卓話要旨

2009年2月7日(土)
会場 松山ワシントンホテル


患者からみた修復腎(病腎)移植

講師 野村正良(移植への理解を求める会 幹事)



私は透析生活をへて、献腎の移植を2度経験し、3度目にネフローゼの末期症状の患者が摘出を切望した病気の腎蔵の移植を受けた。この腎臓は尿や蛋白がぼろぼろ出ていて、生着するかどうか、半信半疑だった。万波誠先生のダメでもともとという偽りのない言葉に賭けた。それから9年経つ。まったく健康(免疫抑制剤を服用しているほかは)である。従って、私は修復腎(病腎)移植の生き証人でもある。

日本は深刻なドナー不足のため、大半が親族間の生体腎移植である。透析と移植では生活の質(QOL)は格段にことなり、さらに移植では透析よりも2倍の延命実績がある。献腎が絶対的に不足しているなか、いわゆる瀬戸内グループの先生方(万波兄弟、光畑、西)が泌尿器科で捨てられていた腎臓に目をつけ、海外で成功している事例を研究し、10年間余りで42例の修復腎移植を行っていた。おりしも「臓器売買事件」がおき、この調査の過程で、修復腎移植が明るみになり、大きな社会問題となった。

学会が修復腎移植を否定する理由はさまざまである。「がんは禁忌中の禁忌」「同意書がない」「生着率が劣る」「レシピエントの選択が恣意的」「倫理委員会の承認がない」などこれらすべてはいいがかりで、学会幹部の遅れた医療知識、嫉妬や面子、地方や臨床の軽視、さらに無知と偏見に基づいており、厚労省は学会の言い分を鵜呑みにした。

今日、修復腎移植の妥当性が明らかになってきている。この移植医療は決して特殊医療ではなく、これまで保険診療で実施されてきた経緯がある。また全国の他の病院でも70例以上行われている。万波医師の論文は「ドナー不足の切り札」として高く評価され全米移植外科学会で表彰された。またオーストラリアではすでに日常的な医療となっている。修復腎移植は、「疾患の再発はゼロ」「遜色のない生着率」「家族間の葛藤がない」「失敗しても気持ちが楽」「年間2千個前後の腎蔵が確保できる」など多くのメリットがある。

修復腎移植推進の輪は確実に広がっている。

広島県医師会はすでに「検討すべき」との見解を発表している。さらに修復腎移植を考える国会議員の超党派の会は、厚労省に「容認」するように迫った。厚労省は1月27日、「いわゆる病腎移植の臨床研究に際し、対象疾患についてはガイドラインにおいて特段制限していないこと」を各都道府県に通知した。移植への理解を求める会はNPO法人となり、患者原告訴訟(学会幹部5人への損害賠償請求訴訟)を支援してゆく。究極の目的は修復腎移植の啓発にあることはいうまでもない。

✤詳細かつ最新の情報は「移植への理解を求める会」で(グーグル)検索して下さい。             (文責 青山淳平)



 「まつやまを考える会」HP
by shufukujin-katudo | 2009-02-28 22:42 | 21.2.7野村正良幹事講演要旨
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